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2011年12月2日(金) 第110号 『なんじゃこら正課外活動』

「なんじゃこら」という単語から宮崎県民が想起するモノは2つしかない。

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「松田優作」と「なんじゃこら大福」である。 

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「なんじゃこら大福」は宮崎県内において圧倒的知名度を誇るユニークなスイーツであり、通常の大福の中身に加えてイチゴや栗、クリームチーズが入っているという、何とも前衛的な一品である。甘いモノを苦手とする学務課コバヤシはいまだチャレンジしたことはないが、なんじゃこら大福を食した友人は一様に口をそろえて当該商品名の感嘆文を口にするのである。おそらくそこには計算し尽くされた食材のシンフォニーが展開されていることであろう。

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しかし、スイーツと本ブログはあまり関係ない。もちろん「なんじゃこら大福」はメタファーである。「なんじゃこら大福」の「なんじゃこら大福」性とでも呼ぶべき性質を抽象化して言葉にするなら、「色んなモノがいっぱい詰まっている」「それらのモノは一見ランダムに選択されているようでありながら、実は互いに結びついていて調和を成している」の2点であろう。

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この2点は、本学における正課外活動のあり方にも共通している。

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まず第一に、本学における正課外活動の機会は、他大学と比して格段に多い。

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1 部?サークル

体育系?文化系合わせて大学公認47団体が活動しており、団体加入者数ののべ人数は951人、本学の学生総数が907人であることから加入率は104%となる。これは、複数団体かけもちで所属する学生が存在するためであり、かけもちを除いた実人数だと693人、在籍学生の76.4%が何らかの団体に所属して活動している。毎日コミュニケーションズが2010年度に日本全国の大学生4,399人を対象に行った『マイコミ大学生のライフスタイル調査』によると、課外活動参加率の平均は56.7%であるというが、本学の参加率は大学公認団体のみに限定して算出しているため、さらに差が開くと思われる。

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2 凌雲祭実行委員会(1~2年生)

すでに本ブログでも紹介されているとおり、今年度も1年生と2年生280人が大学祭の実行委員として、来場者数5847人という一大イベントを自主的に企画?運営した。1?2年生の在籍者総数が425人であることを考えると、実に1?2年生66%が実行委員として活動していることになる。

連日連夜、遅くまで準備に励む実行委員。

連日連夜、遅くまで準備に励む実行委員。

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3 学友会(主に2~3年生)

現在2年生と3年生27名で構成されている学友会役員は、完全な学生自治組織を志向しており、定例開催される様々なイベントの企画運営や、サークルの新規設立や部への昇格、各団体の施設利用の割り振りまで、すべて学生が主体的に議論して決定する。

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最近開催された「映画サークル」「女子サッカーサークル」の設立についての会議の風景。

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今年度の新規企画第一弾は、11月19日に開催された秋季スポーツデイ「たまには運動しな祭」。25チーム約150人がバレーボールで親睦を深めた。

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盛り上がったイベントの裏方には学友会役員とバレー部員の存在が。

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新規企画第二弾は、11月26日に開催された文化系団体の合同イベント「冬めく夜の文化祭」。ライブハウスを貸し切って5団体が共演する初めての試み。

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ビンゴ大会の模様。風邪で不調の学友会長が淡々とガラガラを回す。

ビンゴ大会の模様。風邪で不調の学友会長が淡々とガラガラを回す。

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スペシャルゲスト竹野准教授による大人ロック講座も。

スペシャルゲスト竹野准教授による大人ロック講座も。

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4 卒業行事等実行委員会(4年生)

本学4年生は、例年卒業に際して「卒業アルバムの制作」「卒業祝賀パーティーの開催」「卒業記念品の選定と贈呈」を行う実行委員会を自主的に組織する。今年度も各行事の開催意思を4年生全体に確認し、合計24名から成る卒業記念行事等実行委員会が結成された。

実行委員長による所信表明演説。

実行委員長による所信表明演説。

「よろしくねー」の赤外線通信。

「よろしくねー」の赤外線通信。

幹部会議終了後。今年のテーマは「Funky」でいくそうです。

幹部会議終了後。今年のテーマは「Funky」でいくそうです。

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本文は「なんじゃこら大福」と「本学における正課外活動」に共通する性質を探っている途中であった。その1つ目が「色んなモノがいっぱい詰まっている」ことであり、いかに本学における正課外活動の機会が大学生活という大福の中にぎゅうぎゅうに詰まっているのかを論述してきた。私も書いているうちに当初の文脈を見失うほどに、本学の正課外活動を短くまとめることは至難の業である。うっかり筆を置くところだった。

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もうひとつのなんじゃこら大福的性質である、「(詰まっているモノが)実は互いに結びついていて調和を成している」ことについて説明しよう。これほど多種多様に存在する本学の正課外活動だが、それらすべてを結びつける要素がある。それは、「学生の自主性」に他ならない。それぞれの活動は、すべて学生の自発的な動機にもとづいて行われており、中学?高校までのような教職員の関与はほとんどない。教職員の関与がないということは、活動内容に関して権力者に干渉されない自由があるとともに、その説明責任を学生自身が負うということでもある。そのような学生自治の仕組みの中で、学生同士がコミュニケーションを交わし、助け合い、教え合い、高め合う学生コミュニティが形成される。これは、「教職員→学生」という通常のサポート体制とは異なり、立場が近い人間同士の相互サポート体制である。

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正課外活動において、学生はまず自分たちで活動の目的を設定するところから始めなければならない。そして、同質的な集団の中にも活動目的をめぐって自分と考え方がずいぶん異なる人間が一定数いることを知るであろう。そのような人間に対してどのように説得を試みるか、どのようなマナーをもって接するか、どこまで妥協するか等の「実社会において対人関係を構築する能力」は、学生コミュニティの中で擬似体験される。また、組織をまとめあげて構成員のパフォーマンスを最大化するにはどうすればよいか、組織の成果を得るためにはどのようなトレーニングを構成員に課すべきか、報告連絡相談体制の構築等の「実社会において組織を運営する能力」についても同様である。

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長々と書いてきたが、結論としては、宮崎公立大学において多種多様に存在する正課外活動団体は、学生が好き勝手に趣味娯楽スポーツを実践する場ではなく、学生コミュニティという社会人としての基礎力を身につける場として機能しており、なんじゃこら大福における栗やクリームチーズや苺が「スイーツとしての美味」という調和を成しているように、それぞれの正課外活動団体は「積極性と自主性」という本学特有の学生文化としての調和を成している、ということである。もちろん学生はそのような緻密な計算をしながら正課外活動に取り組んでいるわけではない。ただ、彼/彼女たちは、「積極的かつ自主的に正課外活動に取り組んだ方が、何か面白そうだ」ということを、喜怒哀楽を繰り広げる先輩たちの背中を見て予感しているのである。

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大学生の内向きさや消極性が問題視される現代社会において、宮崎公立大学では「なんじゃこら正課外活動」とでも呼ぶべき正反対の事態が生じている。これが、今週私が言いたかったことである。

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無理やり過ぎますか?

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以上、学生の正課外活動支援も担当している学務課コバヤシが、広げ過ぎた風呂敷をたたみ切れずお送りしました。

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追伸:12月6日(火)18時30分から、本学講堂で文化系の部?サークル合同のクリスマスコンサートが開催されます。本ブログでも紹介されている七夕コンサートとともに、本学における伝統的な正課外活動のひとつです。こちらも例にもれず学生が主体的に企画?運営に携わっています。

学生食堂前の看板。

学生食堂前の看板。

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アンサンブル同好会愛甲さんお手製の会場ポスター。コンサート当日もヴァイオリン演奏で魅せます。

アンサンブル同好会愛甲さんお手製の会場ポスター。当日もヴァイオリン演奏で魅せます。

後輩も負けじとポスター描き。

後輩も負けじとポスター描き。

コンサート当日は、ご来場いただいた方々にもれなくウェルカムドリンクとしてホットティーがふるまわれるそうです。また、クリスマスプレゼントとして先着100名様にテディベアのぬいぐるみをクリスマスをプレゼント。加えてツリーとイルミネーションの装飾でクリスマスムードを満喫できます。ご家族お誘い合わせのうえ、ぜひご来場ください!!