9月10日は「中秋の名月」です。1年の内でも旧暦の8月15日にあたる月を指す名称です。
私が子どもの頃は、仕事帰りの父が「今日は十五夜だぞ!」と私を誘い、近くの空き地や畔道に、ススキ、女郎花(オミナエシ)、萩の草花取りに行き、母はお月見用のお団子を作り、夜には家の縁側に栗やサツマイモともに供えていました。
私も父親になり、子どもたちと十五夜のお供えをしようと思い、近くの河川敷などにススキを取りに出かけました。ところが。ススキの青々とした葉はあるものの、代名詞とも言える穂は出ていません。女郎花や萩の草花を見つけることもできませんでした。挙句の果てに子どもたちからは「何をしに来たの?散歩?」と言われる始末。
幼いころは、今日は十五夜と主張するかのようにススキの穂があちこちで見かけることが出来ましたが、近年の異常気象の影響でしょうか見かけなくなってしまいました。もちろん、山手の方へ行けばあるのかもしれませんが。せめてもと思い、お団子を作りお供えすることは続けています。
十五夜を見ると思いだす歌があります。
十五夜に片割れ月があるものか雲に隠れてここに半分
ご存じの方いらっしゃいますか?
これは、私が4~5歳のころ、祖父が教えてくれた歌です。この言葉だけはなぜか忘れずに覚えています。ところが、誰が詠んだものなのかわかりません。祖父もその後亡くなり尋ねることもできず、祖母や父母に尋ねてもわかりません。なんとなく、藤原道長の「この世をば我が世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思えば」に似ている気もしますが、違いますよね。
今年も「中秋の名月」が近づきました。皆さんはどんなお月見をされますか。
以上、今月の花金は、企画総務課経理係のニオがお送りしました。