平成5年に開学した本学の建学の理念?目的に「広く知識を授け、深く専門の学術を教授研究し、高い識見と国際的な視野を持つ人間性豊かな人材を育成するとともに、広く地域に開かれた大学として生涯学習の振興、産業経済の発展及び文化の向上に貢献すること」とありますが、30周年を迎える現在においても十分に通用するもので、私の目指すところも同じです。
本学は、開学時よりMMU型のリベラルアーツ教育として、学生に教育内容を十分に理解してもらった上で言語?文化、国際政治経済、メディア?コミュニケーションといった多様な専門的な内容の中から、自ら選び、学べるカリキュラムとなっています。そして、特に力を入れているのは、得た知識をもとに「思考的に自由に、固定観念を無くして自分で考えられる作法」を身につけてもらうということです。現在の情報技術の発展やグローバル化によって複雑化する社会では、「答えのない難問」が次々とでてきますが、そういった難問を解くためには、固定概念を無くし、社会情勢や様々なデータを用いて、考えられる力が必要となってきているからです。
学んだことを実社会の課題解決のために、どう活用し、どのように生かせるか、その実践の場が設置者である宮崎市になります。多様な専門分野を学ぶ学生、それを教授研究する教員により、これまでも様々な方法で地域貢献活動を行なってきています。そして、地域と連携し、地域住民と交流することによって、学生は大学での学びをさらに深く理解するとともにコミュニケーション力や社会性を身につけ、教員にとっても地域の様々な研究課題を考えるきっかけになっています。
このような本学の学びは、私のようなシステム工学を専門とするものにとっては様々な新しい発見がありました。特に情報分野のITからICTとCommunicationが加わった頃から、開発者にとっても単なる「技術」だけでない、そこには「人」の存在を意識するということでした。SNS、メタバースなど「人」がどう使うか、人工知能AIに至っては「人間が行う知的活動をコンピュータプログラムとして実現すること」というように「人」を目標にしています。本学のような人文社会科学系は現在のデジタル化と結びつきにくいと思われがちですが、実は情報技術が発展すればするほど、もっとも結びつきの強い、必要なものになってくるでしょう。
これから益々複雑化する社会、本学がこれまで培ってきたMMU型リベラルアーツ教育をさらに充実させ、宮崎市の「地域の知の拠点」として宮崎公立大学のプレゼンスをこれからも広めていきます。
宮崎公立大学 学長
辻 利則
昭和57年4月 | 宮崎大学工学部電気工学科 入学 |
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昭和61年3月 | 宮崎大学工学部電気工学科 卒業 |
昭和61年4月 | 宮崎大学大学院工学研究科修士課程電気工学専攻 入学 |
昭和63年3月 | 宮崎大学大学院工学研究科修士課程電気工学専攻 修了 |
平成8年4月 | 宮崎大学大学院工学研究科博士後期課程システム工学専攻 入学 |
平成11年3月 | 宮崎大学大学院工学研究科博士後期課程システム工学専攻 修了 |
昭和61年3月 | 修士(工学)宮崎大学 論文題目:スペクトルの同時観測によるインパルス放電路の気体温度測定 |
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平成11年3月 | 博士(工学)宮崎大学 論文題目:大気中のレーザー放電誘導機構に関する研究 |
昭和63年3月 | 高等学校教諭一級普通免許状(工業) |
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昭和63年3月 | 高等学校教諭二級普通免許状(数学) |
平成26年6月 | 防災士資格 取得 |
昭和63年4月 | 宮崎県立宮崎工業高等学校 電気科教諭 |
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平成5年4月 | 宮崎公立大学人文学部 助手 |
平成11年4月 | 宮崎公立大学人文学部 講師 |
平成14年4月 | 宮崎公立大学人文学部 准教授 |
平成20年4月 | 宮崎公立大学人文学部 教授 |
日本地域政策学会(理事、九州?沖縄支部副支部長) |
日本災害情報学会 |
教育システム情報学会(九州支部 幹事) |
電子情報通信学会 |
宮崎市社会福祉審議会委員 委員長 |
宮崎市障がい施策推進協議会 会長 |
えびの市事務事業外部評価員 会長 |
宮崎交通圏?都城交通圏?延岡市タクシー 準特定地域協議会 会長 |
特定非営利活動法人 宮崎県ボランティア協会 会長 |
特定非営利活動法人 みやざき教育支援協議会 副理事長 |
宮崎地域インターネット協議会 副会長 |
公益財団法人 宮崎文化振興協会 評議員 |
社会福祉法人 げんき 評議員 |
社会福祉法人 淳和会 評議員 |
社会福祉法人 宮崎県聴覚障害者協会 理事 |
社会福祉法人 恵佼会 理事 |
国立大学法人 宮崎大学 工学部研究倫理委員会委員 |
独立行政法人 航空大学校 内部評価委員会委員 |
「みやざきの自然災害」一般社団法人みやざき公共?協働研究会 2012年 pp.107-117 |
「文系のための情報処理入門」, 金子正光,辻 利則, 朝倉書店,162, (1997) (出版). |
"住民によるICカードを用いた地域情報化の取り組み", 辻 利則,赤木 敏弘, 宮崎公立大学人文学部紀要、28 巻,第 1 号, (2021). |
"障害者差別解消法?建設的な対話を重ねること?", 辻 利則, みやぎん経済研究所「調査月報」(2021). |
"無線LAN災害情報ネットワークシステムの構築", 辻 利則, 森部陽一郎, 松澤英之 ほか 3名, 宮崎公立大学人文学部紀要, 17 巻, 第 1 号,127-136, (2010) . |
"障か?い者にとって有効な e-ラーニンク?教育支援システムの開発", 辻 利則, 田崎勇貴, 野澤裕樹, 宮崎公立大学人文学部紀要, 16巻, 第1号,175-189, (2009). |
"地域との連携によるサーヒ?スラーニンク?モテ?ル構築と課題", 辻 利則, 竹野茂 ほか3名,宮崎公立大学人文学部紀要,14 巻,第1号,233-243,(2007). |
"AEセンサを用いた水車発電機運転中部分放電測定",辻 利則、金子 正光、成 烈文、大坪 昌久、本田 親久、竹之 内修、山津 謙一、田中 和洋 電気学会論文誌B,査読あり,122巻,第4号,513-519,(2002). |
"福祉と情報(1)みやさ?きフラワーフェスタのタウンモヒ?リティと宮崎県内の車いす用トイレマッフ?のホーム",金子正光,辻 利則,宮崎公立大学人文学部紀要,6巻,第1号,237-254,(1999). |
"電界計測による長ギャップレーザ誘導放電のリーダ進展メカニズムの基礎的検討",辻 利則、大坪昌久、本田 親久、内海 通弘、村岡 克紀、宅間 董、木下 文宏、赤崎 正則、 電気学会論文誌A(基礎?材料?共通部門誌),査読あり,118巻,第11号,1291-1297,(1998). |
"R_3Fe_5O_<12>磁気光学結晶薄膜を用いた光ファイバ付配電用光電流センサシステムの開発",辻 利則、金子 正光、大坪 昌久、本田 親久、贄田 寛、棚原 守、上島征之 電気設備学会誌,査読あり,16巻,第2号,98-105,(1996). |
"レーザによる大気中電離領域の特性",辻 利則、本田 親久、内海 通弘、田中 祀捷、村岡 克紀、宅間 董、赤崎 正則、木下 文宏 電気学会論文誌A(基礎?材料?共通部門誌),査読あり,115巻,第7号,583-588,(1995). |
九州総合通信局長表彰 電波の日表彰 2012年6月 |
研究奨励賞 第32回全国大会 教育システム情報学会 2007年9月 「重度障害者が利用できるe-learning実習教材支援機器の開発」 |